【イベントレポート】東京レインボープライド2024にBCGが参加
アジア最大級のLGBTQ+関連イベント、「東京レインボープライド2024」が4月20日(土)~21日(日)の2日間にわたって代々木公園で開催された。延べ約27万人が参加し過去最高の来場者数となった。BCGもスポンサー企業のひとつとして、昨年に続きブースを出展した。
「企業がLGBTQ+の支援者になるには?」ブースを訪れた人に質問
ブースでは、BCGのLGBTQ+当事者や支援者によるコミュニティPride@BCGのメンバーが来場者を出迎えた。
今年は、訪れた人に「企業はどのようにしてLGBTQ+のよりよいアライ(支援者)となることができますか?」と質問。考えを付箋に書いてボードに貼ってもらった。
「心理的安全性がみんなにあること」「立場を気にせず言いたいことを言えるようにする」「ありのままの自分を出せること」といった職場の環境や文化の改善に関することから、「どんな形の家族・パートナーでも福利厚生を得られるようにする」「同性パートナーでも育休がほしい」「当事者が安心して応募できる求人体制を整える」などの具体的な制度・施策に至るまで、ボードいっぱいに付箋が貼られた。
BCGのブースには、現役社員やアラムナイ(卒業生)も含め、2日間で300人以上が訪れた。
Pride@BCG事務局メンバーの植田 陽亮は「ブースに来ていただいた方への問いに、もちろん正解はありません。一人ひとりが記してくださった意見や想いは、私たちにとっても刺激になり、学びにつながります。今年のイベントから得られた気づきや学びはPride@BCGの活動にも還元していきたいです」と話した。
ダイバーシティやインクルージョンの推進には経営層の役割が重要
経営層にとっても、組織の多様性(ダイバーシティ)や包摂性(インクルージョン)への取り組みは重要だ。BCGの調査では、職場で「ありのままの自分」を出せる従業員は、より幸せを感じ、ベストを尽くす意欲があり、自分の意見が尊重されていると感じており、離職する可能性が半分以下であることが分かっている。
BCGが開発した、包摂性の実感を数値化した指標であるBLISSインデックスは、自分を隠す必要があると感じると低下する(図表)。同僚にカミングアウトしているLGBTQ+の従業員の73%が「職場でありのままの自分でいられる」と感じているのに対し、カミングアウトしていない従業員ではその割合は53%にとどまった。またLGBTQ+、障がいのある人などの約3分の1が、その企業の組織文化に包摂性が欠けていることを理由に、職務に応募しない、またはオファーを受け入れないと選択したことが明らかになっている。
企業において包摂性を高めるには、経営陣の多様性やコミットメント、心理的安全性の構築など、リーダーが果たす役割が大きい。東京レインボープライドのブースを訪れた日本支社長の佐々木 靖は「多様性や包摂性は企業・組織にとって非常に重要です。さまざまなバックグラウンドを持つ従業員が、互いにリスペクトすることによって、いろいろな側面から価値を創造できます」と話した。
Pride@BCGには世界で1100人以上のメンバーが在籍
BCGは、1998年にゲイやレズビアンの従業員のためのネットワークを創設した。Pride@BCGは現在、世界の45以上の国に1100名以上のメンバーが在籍している(LGBTQ+当事者と、当事者ではないが明示的に支援したいメンバーを含む)。
Pride@BCG Japanは、東京レインボープライドへの参加以外に、当事者と支援者の交流イベントや、社外の当事者をゲストとして呼んで経験を共有してもらうセッションなどを開催している。また、すべての人にとってより働きやすい環境をめざして社内制度の変革に関わったり、採用担当と連携して候補者向けの情報発信を行ったりもしている。当事者同士のメンターシップ制度も特徴的だ。
Pride@BCGの日本での取り組みをリードするマネージング・ディレクター&パートナーのマット・スイーニーは、次のように話した。「DEIはBCGのあり方そのものです。さまざまなバッググラウンドや視点、経験を持つ従業員がいることで、より良い成果を得られます。私はみんなに『自分自身を出して』と言いたいです。そして、サポートを必要としている人たちのために、取り組みに参加してくれることを願っています」