【国際女性デー】テック業界の生成AI活用は女性管理職が積極的 BCG最新調査

BCGは2024年1月、テクノロジー業界における生成AIの活用をめぐり、男女の従業員の間でどのような違いがあるのかについて調査した。調査レポートの公開に先立ち、国際女性デーに合わせて 、研究結果の一部を紹介する。

調査では、世界5カ国(米国、英国、インド、日本、ドイツ)のテクノロジー業界で働く従業員6,500人以上を対象に、性別・職種 ・職位の観点で差異を分析した。 その結果 、エンジニアやIT、マーケティングなども含めた テクノロジーにかかわる(テクノロジーを比較的活用する)職種では、上級職1の女性は生成AIを積極的に使用しており、その割合2は同じカテゴリーの男性を上回っていることがわかった(75%対61%)。このことは、今後のテクノロジー業界における女性の立場の改善や、存在感の向上につながると期待できる。

テクノロジー業界で働く従業員を対象に、生成AIの使用頻度について調査。エンジニアやIT、マーケティングなど、テクノロジーを比較的活用する職種では、上級職(テクノロジー業界での経験が5年超の従業員、および管理職)の女性が、同じカテゴリーの男性よりも生成AIを積極的に活用していることがわかった。「仕事で生成AIツールをどのくらいの頻度で使用しますか?」という質問に対し、「週に1回以上」と回答した人の割合が75%と、男性61%に対し14%ポイント上回った。

法務や財務などの職種では男女差が顕著

しかし、テクノロジーとのかかわりが比較的少ない職種(法務や財務など)における上級職の女性は、同じカテゴリーの男性と比較して後れをとっているようだ。生成AIを積極的に活用している割合は男性が71%に対し、女性が63%だった。若手3女性については職種にかかわらず、若手男性よりも生成AIを活用している割合が低いことも明らかになった。テクノロジーにかかわる職種では、男性が70%に対し女性は63%。テクノロジーとのかかわりが比較的少ない職種では、 男性が69%に対し女性は43%と顕著な差が見られる。

すべての職場で公平に生成AIが取り入れられるためには、このジェンダーギャップに対処することがカギとなる。生成AI活用を推進する取り組みに女性が早期から関われば、生成AIの恩恵がすべての人に行きわたることにつながるだろう。

調査レポート: Women Leaders in Tech Are Paving the Way in GenAI(2024年5月)

  1. テクノロジー業界での経験が5年超の従業員、および管理職以上 ↩︎
  2. 「仕事で生成AIツールをどのくらいの頻度で使用しますか?」という質問に対し、「週に1回以上」と回答した人の割合 ↩︎
  3. テクノロジー業界での経験が5年以下の従業員 ↩︎