AIバブルは弾けるのか――シニア・パートナー森田の眼

AI(人工知能)関連企業への投機熱は高まり、株価は高騰している。一方で、AIへの高い期待に比べ、企業の収益に大きなインパクトをもたらした実績には乏しいという批判もある。これは果たして「AIバブル」なのか、仮にそうなら、バブルは弾けるのか、どのような影響が出るのかという議論が2025年から活発になっている。

この議論はAI企業だけでなく、半導体、データセンター、電力、ネットワークといった周辺産業を巻き込むエコシステムの問題として捉えるべきだ。悩ましいのは、エコシステムの中で取引と投資が循環しており、莫大な投資に対し、成果を求める強烈なプレッシャーがかかっていることだ。一部が壊れると、全体に甚大なダメージが出る。

こうした悲観論への反論もある。AI企業は検索や広告、SaaSなどの既存の製品・サービスにAIを組み込むことで収益化を急いでいるし、AIを活用して自身の生産性を高めている。利益が上がれば懸念も薄まるだろう。また、仮にバブルが崩壊したとしても、本質的に必要なサービスは残るだろうし、データセンターや電力網への投資は無駄にならないという見方もある。

AIバブルが起こるかどうかを考える上で注視すべきは、需要が拡大するか、逆に供給側のデータセンター、電力、人材がボトルネックにならないか、という需給のバランスだ。特に、人材についてはAIにより代替される不安もあれば、AIに関連する仕事が増えるという期待もある。人材のシフトが加速するかどうかが論点になるだろう。

※本記事は、2026年2月6日付の物流ニッポン新聞に掲載されたコラム「ちょっといっぷく」に掲載されたものです。物流ニッポン新聞社の許可を得て転載しています。

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