量子アニーリングと社会実装の未来 AI・統計科学のエキスパートBCG X高柳が対談

民間企業での活用が模索され、政府も投資に力を入れる量子技術。なかでも、複雑な組合せの問題を高効率に解くことができる「量子アニーリング」は、工場でのスケジューリングや勤務シフト、物流における配送経路の最適化などで実装が進みつつあり、産業界から大きな注目を浴びている。さらにはAI(機械学習)との組み合わせで、解決できる問題も広がっているという。

量子アニーリング技術を最前線で研究する慶應義塾大学理工学部の田中 宗准教授に、AIや統計科学に詳しいBCG Xのプリンシパル高柳 慎一が、社会実装の未来を聞いた。※肩書は撮影当時

第1回 社会・経営課題の解決に注目

量子アニーリングは、選択肢が多岐にわたる複雑な問題を驚くほど効率的に解けると期待されている技術だ。社会実装はどのように進むのか。田中准教授が、過去に携わった物流倉庫企業での活用事例などをもとに解説する。

第2回 ビジネス活用におけるポイント

物流倉庫のシフト計画や配送ルートの最適化をはじめ、実際のビジネスの現場への導入が模索されている量子アニーリング。ビジネスパーソンはこの技術の活用を検討するうえで、何に注目すべきだろうか。コスト面のハードルにも触れながら、3つのポイントを示す。

第3回 生成AIに並ぶ認知を目指す

量子アニーリングとAI(機械学習)を組み合わせた手法も研究が進んでいる。田中准教授が、材料工学での活用を例に説明する。また、日本政府が掲げる目標「2030年までに量子技術の利用者1000万人」を達成するには、技術をいかに社会へ届けるかを考えなければならないと指摘する。