インフレ時代の価格戦略 消費者心理のエキスパート紀平が解説

複雑化するプライシング

日本でも物価上昇が本格化している。それに伴い、消費者の価格に対する価値観も変化しつつあることが、BCGの調査で明らかになった。「この先の価格の世界は、ひとつのものに対してひとつの価格を考えるというシンプルな世界ではない」と、消費者心理に詳しいBCGのプライシングのエキスパート紀平 啓子は指摘する。

「一物多価」で最適な値付け

長く続いたデフレの環境下で「一物一価」を是としてきた日本企業はいま、場所や時間帯、顧客に応じて最適な値段を付ける「一物多価」への転換を迫られている。この施策は企業にとってどのようなメリットがあるのか?価格戦略として取り入れていくうえで、企業は何を押さえるべきなのか?最新の調査結果を交えながら解説する。

調査レポート: BCG消費者心理調査――物価上昇の影響を読み解く(2024年1月)