BCG、環境省デコ活の「The POSITIVE ACTION Initiative」を支援

生活者のさまざまな脱炭素に資する行動のCO2排出削減効果のデータベース化や社会実装に向けた活用に、各社連携して取り組む

経営コンサルティングファームのボストン コンサルティング グループ(以下、BCG)は、環境省の「デコ活」(脱炭素につながる新しい豊かな暮らしを創る国民運動)[注1]を支援しています。その一環として実施しているプロジェクト「The POSITIVE ACTION Initiative」(以下、PAI)では、生活者の脱炭素に資する行動の促進を目的とし、環境省と有志の企業などが連携し、生活者によるさまざまな脱炭素に資する行動のCO2排出削減効果のデータベース化と、そのデータベースの活用を通じた脱炭素に資する行動の社会実装に取り組みます。

1. 背景

デコ活の一環として実施しているプロジェクトPAIでは、脱炭素につながる新しい豊かな暮らしを創ることを目的とし、下記の項目について16社の企業・団体が共同で検証します [注2]。

  • CO2可視化に係るデータベース(ルール・標準)の策定
  • データベースを活用した社会実装
  • インセンティブに係るルール・標準の設計

また、2024年2月に策定された「くらしの10年ロードマップ」[注3]における「基盤」テーマにおいては、「製品やサービス購入に伴うCO2排出量の見える化と、排出削減量に応じたインセンティブ付与が一般化」していることをゴールとして設定しています。

2. 当面の取り組みの概要

上記のゴールの実現に向け、PAIの活動の一環として、今回、生活者の脱炭素に資する行動によるCO2排出削減効果のデータベース作りに取り組みます(PAI内の「標準化分科会」[注4]において実施)。具体的には、生活者が日々行う脱炭素に資する行動に応じたCO2削減効果について、一定の仮定を置き参照となる値を算定することで、脱炭素に資する行動とそのCO2排出削減効果のデータベースを作成します。

CO2削減効果の参照となる値は、カーボンフットプリントガイドライン[注5]などの既存のガイドライン [注6]を参照し、各種の行動ごとに、脱炭素に資する行動を行った場合と、行わなかった場合(=従来型の行動)の排出量の差分の考え方から算定を行います。今回、算定を行う脱炭素に資する行動の種類は100種類以上を予定しており、具体的には以下のようなアクションのCO₂排出削減効果を算定します。

  • 車での移動の代わりに、電動シェアリング自転車を利用する
  • エアコンの設定温度を、標準よりも上げる
  • レジ袋を利用する代わりに、マイバッグを持参する など

3. 今後の展開

データベースの公表は2024年度中を予定しています。データベースは一般に公表し、消費者・生活者の脱炭素に資する行動を促進するための仕組み作りやサービス開発などに広く活用してもらうことを想定しています。
また、PAIでは本データベースを活用して各社がサービス開発などの社会実装を進めるため、望ましいルール整備やインセンティブ設計の在り方(価値化に繋がる可視化)などについてさらに議論を進めていきます。また、脱炭素に資する行動の機運の醸成に留まらず、各社の持つ消費者・生活者との接点やセンシングなどの技術を活用した削減についても検討します。それらの取り組みに当たっては、ユーザーのプライバシー保護に十分に配慮します。

4. PAIへの参画を募集

2024年11月現在、PAIの標準化分科会には、以下の企業などが参画しています。(環境省及び事務局を除き、五十音順)。

  • Earth hacks株式会社
  • アジア航測株式会社
  • 株式会社NTTドコモ
  • NTTコミュニケーションズ株式会社
  • NTTコムウェア株式会社
  • KDDI株式会社
  • 一般社団法人サステナブル経営推進機構
  • パナソニックホールディングス株式会社
  • 富士通株式会社
  • 株式会社メルカリ
  • 楽天グループ株式会社
  • ボストン コンサルティング グループ(デコ活応援団事務局)
  • 環境省
    (これらの企業などを含め、有志の企業など合計16社・団体が参画、連携)

■ 参考資料

『デコ活』の下のプロジェクトである『The POSITIVE ACTION Initiative』では、生活者の様々な脱炭素に資する行動の CO2排出削減効果のデータベース化や社会実装に向けた活用に、各社連携して取り組みます!」(環境省プレスリリース、2024年11月29日)

[注1]「デコ活」とは、「脱炭素につながる新しい豊かな暮らしを創る国民運動」の愛称であり、二酸化炭素 (CO2)を減らす(DE)脱炭素(Decarbonization)と、環境に良いエコ(Eco)を含む”デコ”と活動・生活を組み合わせた新しい言葉
https://ondankataisaku.env.go.jp/decokatsu/

デコ活ロゴ 02

[注2]「脱炭素につながる新しい豊かな暮らしの実現に向けた「The POSITIVE ACTION Initiative」を始動」(環境省プレスリリース、2023年5月17日)

[注3]くらしの10年ロードマップとは、新資本主義実行計画 (2023年6月16日閣議決定) に基づき、国民・消費者の行動変容・ライフスタイル転換を促し、脱炭素につながる新しい価値創造・豊かな暮らしを実現するために必要な方策・道筋を示したロードマップ
https://www.env.go.jp/press/press_02781.html

[注4] PAIは全体会合の下に、CO2可視化に係るデータベース(ルール・標準)の策定を行う標準化分科会、およびデータベースを活用した社会実装を検討する社会実装分科会の2つの分科会を設置し、議論を行っています。

[注5] カーボンフットプリントガイドラインとは、環境省と経済産業省が2023年3月に公表した、カーボンフットプリントの算定に取り組む事業者などに対する指針を示したガイドライン
https://www.env.go.jp/content/000124385.pdf

(参考) 「BCG、経済産業省・環境省の「カーボンフットプリント ガイドライン」策定を支援」(BCGプレスリリース、2023年3月31日)

[注6] 上記[注5]のガイドラインのほか、削減貢献量(従来使用されていた製品・サービスなどを新たな製品・サービスなどで代替することによる、サプライチェーン上の削減量を定量化する考え方)に関する関連のガイドラインなどを参照しています

■ 担当者

森原 誠

マネージング・ディレクター & パートナー
BCGパブリックセクターグループ、気候変動・サステナビリティグループのコアメンバー。
東京大学法学部卒業。カリフォルニア大学ロサンゼルス校法科大学院修士(LL.M.)。総務省を経てBCGに入社。その後、青山社中株式会社を経て、BCGに再入社。BCGシカゴ・オフィスに勤務した経験もある。

伊原 彩乃

プリンシパル
BCGパブリックセクターグループ、気候変動・サステナビリティグループ、マーケティング・営業・プライシンググループのコアメンバー。カーボンニュートラル・気候変動領域のエキスパート。
東京大学工学部卒業。BCGに入社後、コンサルティングや人材育成、マーケティング・広報に従事。その後BCGに再入社。

■ 本件に関するお問い合わせ

ボストン コンサルティング グループ マーケティング 小川・中林・福井
Tel: 03-6387-7000 / Fax: 03-6387-0333 / Mail: press.relations@bcg.com