女性の活躍推進のための取り組みに対する認識には、男女間で大きなギャップがあることが判明~BCG調査

経営コンサルティングファームのボストン コンサルティング グループ(以下、BCG)は、日本企業における女性の活躍推進に関するレポート 『女性の活躍推進を日本企業で達成するには』 を発表しました。本レポートでは、日本において女性活躍が進みにくい3つの理由、そして日本企業が女性の活躍推進を実現するための4つのステップについてまとめています。

女性の活躍推進のための施策について、女性は具体的な施策が有効と考える一方、男性は女性の活躍推進のための戦略構築や目標設定などが有効であると考える傾向があり、違いが明らかに

この調査では、日本において2,600人以上の従業員へのアンケート及び20社を超える先進企業の経営陣に対するインタビューを、2017年2~4月に実施しました。その結果、「女性の活躍推進に有効である」と思っている取り組みが、女性マネジャーとその大半が男性であるシニアマネジャーとでは、大きく異なることが明らかになりました(図表1)。

女性マネジャーが有効であると思っている取り組みのトップ3は「時短勤務が可能」「法律で定められている以上の育児休暇を取れる」「柔軟な勤務時間と勤務場所」となり、具体的な施策が上位にランクインしました。一方で、男性が大半を占めるシニアマネジャーが有効であると思っている取り組みとしては、女性の活躍推進のための戦略・行動計画の策定や目標設定、KPI の測定などが上位に入りました。女性は直面する問題に対する具体的・直接的な施策が有効であると考える一方で、男性は女性の活躍推進の全体戦略を起点としたアプローチの方が有効であると考える傾向があり、男性が中心のシニアマネジャー層は女性が求める施策がどのようなものなのか、完全には把握していないことが明らかになりました。

日本において女性活躍が進みにくい3つの理由

日本の女性管理職・役員の割合は、世界と比較して非常に低水準です(図表2、3)。

本レポートではこの背景に以下の3つの要素があると分析しています。
  1. 家庭や学校における男女別の役割の固定概念の植え付け
  2. 女性総合職の候補者不足
    ・就職・採用時の総合職と一般職の区分
    ・総合職候補となり得る上位大学での女子学生の少なさ(日本の上位大学における女性比率は約20~35%、理系学部においては約15~25%だが、欧米の上位大学では学部を問わず男女比はほぼ半々)
  3. 入社後のキャリアでの壁
    ・仕事と家庭のバランスを取ることが困難
    ・労働市場が流動性に乏しく、キャリアを中断すると復帰が困難

日本企業が女性の活躍推進を実現するための4つのステップ

女性の活躍推進に成功している先進企業へのインタビューなどを通じ、女性の活躍推進には以下の4つのステップが必要であることがわかりました。

  1. 女性の活躍推進の本質的な必要性を理解し、経営トップ主導で取り組む
  2. 本当に必要な施策を抽出し、効果を最大化する
  3. 男女の区別なく、社員のマインドセットを刷新する
  4. すべての社員にとって有益な環境をつくるための「働き方改革」を実現する

「今後、女性の活躍に真剣に取り組む企業は競争優位性を得ることができる一方で、真剣に取り組まない組織は、ますます人材の獲得・リテンションが難しくなり、勝ち残っていくのは難しいでしょう」と、本レポートの共著者であるBCG東京オフィスのシニア・パートナー、津坂美樹はコメントしています。

■レポート
女性の活躍推進を日本企業で達成するには
英文: “Achieving Corporate Gender Diversity―Even in Japan”

■ 共著者

津坂 美樹

シニア・パートナー&マネージング・ディレクター
BCG チーフ・マーケティング・オフィサー。BCG エグゼクティブ・コミッティ(経営会議) メンバー。ハーバード大学政治学部および東アジア研究学部卒業(Magna Cum Laude)、ハーバード大学経営学修士(MBA)。BCG 東京オフィスに入社後、ニューヨーク・オフィスを経て現在に至る。

木村 亮二

シニア・パートナー&マネージング・ディレクター
BCG 戦略グループ グローバル・リーダー。京都大学経済学部卒業、HEC 経営大学院経営学修士(MBA)。国際協力銀行を経て、現在に至る。BCG パリ・オフィスに勤務した経験もある。

■ 本件に関するお問い合わせ

ボストン コンサルティング グループ マーケティング 伊原・嶋津
Tel: 03-5211-0600 / Fax: 03-5211-0333 / E-mail: press.relations@bcg.com