ゲーム市場は新たな成長局面へ 2030年までに3,500億ドル規模ーーBCG調査
2025年7月、BCGは日本を含む世界の主要市場に住む約3,000人のゲーマーを対象に調査を実施した。その結果、ゲーム市場はコロナ禍収束後の成長鈍化を脱し、新たな成長局面に入りつつあることが明らかになった。
ゲーム市場は再拡大へ、クラウドゲームが高成長の見込み
世界のゲーム市場は2026年から2030年にかけて年平均6%で成長し、2030年には3,500億ドル規模に達する見通しだ。(図表1)。内訳をタイプ別にみると、モバイルゲームの売上高(アプリ内課金や広告による収益)が、約1,600億ドルと最も大きな割合を占める見通しだ。専用の端末が不要なクラウドゲームは売上高こそ小さいものの、複数のゲームを定額でプレーできるマルチゲーム・サブスクリプション(2025年から2030年までの年平均成長率は74%)などを中心に高い成長率が見込まれている。一方、PCおよびコンソール(家庭用ゲーム機)分野の成長率は限定的であり、特にコンソールではハードウェアの売上高が減少傾向(同、マイナス7%)になると予測している。

年齢を重ねてもゲームを続ける傾向、親から子への広がり
過去6カ月間にプレー時間が増えたと回答した人は55%に上った。年齢を重ねてもゲームを続ける傾向も強まっており、ベビーブーマー世代(61歳以上)の40%以上、X世代(45~60歳)の50%以上が週5時間以上ゲームをしていると回答している(図表2)。
調査によると、ゲームをする親たちは子どもを早い段階からゲームに触れさせており、約44%の親が「子どもは5歳までにゲームを始めた」と回答し、57%が「自分が子どもにゲームを紹介した」と述べている。親世代が次世代のプレーヤーの入口となっていることがわかる。

子どもが最初に触れるタイトルには、プレーヤー自らがコンテンツを作り共有できる機能を持つゲームが上位に入っている。たとえば、3Dブロックで自分の好きな仮想世界を作れるゲーム『マインクラフト』やユーザーが3D空間上でオリジナルのゲームを制作、公開できる『ロブロックス』などだ。
一方で、購入については経済的な制約を感じているゲーマーも少なくない。調査では、49%が「割引を待って購入する」と回答し、31%が「価格が上昇すれば購入を見送る」と答えている。
ゲーム業界の今後を形作る4つのトレンド
調査では今後数年間でゲーム業界を形作る要素として、次の4つのトレンドを挙げている。
- 生成AIの活用:調査によると、約7,300本のゲームがAIの使用を公表しており、現在では約50%のゲームスタジオがAIを活用していると推定される。AIは、プログラミングコードの改善や動作テストの効率化に加え、プレーヤーの行動や選択に応じて展開が変化するゲーム体験の提供にも用いられている。
- ユーザー生成コンテンツ(UGC)の台頭:UGCは個人がコンテンツを創作・配信して収益を得る「クリエーターエコノミー」として急成長しており、2025年には、『ロブロックス』と全世界で人気のバトルロイヤルゲーム『フォートナイト』の2タイトルだけで、クリエーターへの支払いが15億ドルを超える見込みだ。調査では、回答者の40%以上が前年よりも多くのUGCを消費していると答えた。一方、実際にコンテンツを制作している人は10~15%にとどまっている。
- クラウドゲームの拡大:調査回答者の60%がクラウドゲームを試した経験があり、そのうち80%が良好な体験だったと回答。ただし、継続的または頻繁に利用しているゲーマーは27%にとどまっている。クラウドゲームの売上高は、2025年の約14億ドルから2030年には183億ドルへ拡大し、利用者数は5,000万人を超える見通しだ。
- アプリ流通モデルの転換:これまで閉鎖的だったモバイルアプリストアの開放を促す規制・司法判断の進展を背景に、特にモバイル分野において、開発者が従来の公式ストア以外の手段を通じてゲームを配信・収益化できる環境が広がりつつある。調査によると、2025年のモバイルゲームにおけるアプリ内課金による売上高は約1,300億ドルに達し、世界のゲーム市場規模のほぼ半分を占める見通しだ。調査に回答した成人の約3分の1に加え、若年層でも40%が、開発者自身が運営するウェブ型アプリストアでの購入経験があると答えている。
本レポートの共著者で、BCGデュッセルドルフ・オフィスのマネージング・ディレクター&パートナーであるエルネスト・パガーノは、次のように述べている。「クラウドゲーム、UGC、AI、そしてアプリ流通モデルの転換は、ゲームの開発や流通のあり方を大きく変えていくだろう。プレーヤーは、より新鮮な体験や活発なコミュニティ、そして場所やデバイスを問わず自由に遊べる環境を求めるようになる」
■ 調査概要
スマートフォンなどで気軽にゲームを楽しむ層から、週50時間以上プレーするヘビーユーザーまで、幅広いゲーマーを対象に実施
- 実施時期:2025年7月
- 回答者数:2,972人
- 対象国:米国、日本、中国、ドイツ、韓国
■ 調査レポート
「Video Gaming Report 2026: How Platforms Are Colliding and Why This Will Spark the Next Era of Growth」(2025年12月)